小中学生のお子様を持つ保護者のみな様へ…3(自分で決める)

ここまで、2つの記事を書いておりますので、ぜひご覧ください。

小中学生のお子様を持つ保護者の方へ…1

小中学生のお子様を持つ保護者の方へ…2

さて、前回の最後で少し触れましたが、最近は、親が何でも決めてしまったり、子ども自身が決定できない、という状況が増えているようです。

これも前回でも触れましたが、何をするのにも親が決めている状態はどう考えても先々に良い影響を与えないのは言うまでもありません。思春期を迎えた子どもは、極端に書けば、すでに1人の対等の人間で、他人だと思うくらいでもよいと思います。

幼児ではないのですから、食べるものや、自分で着る服、どこへ遊びに行くか、いつ勉強をするのか、1日の計画なども含めて親が決めているのはどう考えてもおかしい状況です。何もできない子どもを作ることがその子の将来のためになるのかよく考えてほしいところです。その子のためを思ってやっていることがかえって社会人になったときに子どもをダメにしてしまうことが多々あるということです。

自分で考えて自分で行動するようにするためには、親はあれこれ指示を出すようではいけないということです。自分で考えることは訓練や経験が必要です。ですから何度も書いてきたように「失敗が伴う」ものなのです。子どもたちは、何がよくて何が悪いかを含めて知らないことが多いわけです。それは大人が教えていくしかありませんが、命の危険や他人の迷惑にならない限りにおいては、極力、自分で決めさせることが重要です。

塾でも勉強をできる生徒を見ていると、例えば、夏期講習などの申込み書を配ると、その場で目を通し、すぐに自分で名前などを書いて、講座もすぐに決めております。あとは、費用の面があるので最後にそこだけを確認するために持ち帰るくらいです。他にも北辰テストの申し込みなどもそうです。案内を配ると、その瞬間に「受けるので今度お金を持ってきます。」とか、「今回は受けないので」などと即決です。自習も同じ。塾への自習に来るか来ないか、いつ来るのかいつ帰るのか、などもすべて本人が決めているのです。

三者面談などをしているとよくわかりますが、子どもに質問したことを親が答えてしまうケースがあったり、ほぼ親がずっとしゃべって子どもに「これでいいよね?」などと確認するようなケースを見かけると、ちょっと心配してしまいます。先ほど上記に書いたことなどもそうですが、私はよく子どもたちには、「お友達がどうのこうのではなく、親に言われた言われないとかではなく、自分で決めてくださいね」と。お金のかかるものは自分で決めてから、相談をするようにしてもらっております。(小学生は少し難しいですが、方向性や自分の気持ちはどうなのかということは持っていてもらいたいです)

中学生になったばかりであれば、最大の選択のチャンスは、部活動です。そして、前回も書きましたが、高校受験もそうですね。何を選んでもどこを選んだとしてもそれに対して口出しをしてはいけません。さらにもう1つ気をつけたいのは、子ども自身が決めたからと言って、本人が辞めたいと言った際に、「自分でやりたいって言って決めたのに、難で辞めるの?」などと責めるのも厳禁です。辞めるといいだすには何か理由があるので、そこをしっかりと確認してからにしていきましょう。話を聞いて解決策を提示してあげるときは親の出番です。

自分で自分のことを決める経験が少ないと、自分の予定や行動も把握できておりませんので、毎日毎日がその場しのぎになりがちです。

よく、「うちの子は大きくなってから何をやりたいか全然決まっていないようで」という言葉を聞きますが、それは、今まで言われたとおりに、大人の言う通りにしてきた結果です。そして、多くの場合が1回目にも書きましたが、「言われたことをしないと叱られる」からという理由が圧倒的に占めていると思います。

特に、中学生を見ていると、何事でもすべて親に確認をしないとダメな子もいたりします。何を聞いても「親に聞いてみます」のような返答があると、やはり心配になります。

1日の過ごし方を親が決めたり、スケジュールされたとおりに行動するよりも、自由に過ごした経験が多い人のほうが、大人になってから大成する傾向がある、とあるデータで見たこともあります。

自分で決めて、自分で失敗して、あるいは成功して、そして、自分自身が成長していくものなのです。子どもの問題に親が介入する必要などないということですね。

子どもに決めさせて、その決断を尊重する。大人はその先がどうなるか経験でわかるので、子どものその決断を尊重するのは実は非常に難しいことなのですが、そこをしっかりと見守ってあげてほしいと思っております。

それは勉強にも同じことが言えるからです。

子どもの勉強は子どもがするものであって、親がするものではありません。子どもが勉強しないのは子どもの責任であって子どもの問題であるわけです。やらなくて困るのは子ども自身ですから、親が焦っても心配してもそれはなかなかどうして子どものことを考えているというよりは、勉強をさせなくてはならない、いい高校に入れなければならない、勉強しないと立派な大人になれない、という妄想や何かの暗示に過ぎないのではないでしょうか。

朝も起きないなら起こさなくていいのです。と言っても1回は起こしてあげましょう。そして、それでもそのあと寝ちゃってしまったら放っておけばいいのです。起きた時に焦って慌てて学校に行って恥を書く。これも経験です。大人になっても仕事に行くようになっても、いつまでも親が起こさなければならない、なんていう子どもにしたくはありません。寝なくて困っている場合も、放っておけばいいでしょう。寝不足でつらい思いをしたり授業中寝てしまって怒られたり…それも子ども自身の問題です。親ができるのは、早寝早起きのメリットを説明して、あとは本人の意志に任せるのみです。決して、叱ったり怒ったり親が良くしてしまうような、力や威厳で抑え込んだり無理やりやらせることは辞めなくてはならないでしょう。

自分で決めることで自分のすることに責任も持てるようになっていくのではないでしょうか。失敗しても親が決めたから、とな他人が決めたからと、誰かのせいにしていたらいつまでたっても同じ失敗の繰り返しで、いつまでたっても成長しない子どもになってしまいます。

次回は、少し勉強のことを中心にして書こうと思っております。

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