途中式

算数や数学では、計算の過程や途中式が重要だということは誰もが理解していると思います。長年、塾で指導をしていると算数や数学ができない生徒には共通していることが多々あります。できない生徒は、この途中式を省くということです。省くというよりは、面倒くさがるといった方が正しいかもしれません。

計算問題は、1問1問を大切に扱ってほしいと思います。よって、計算の過程をしっかりと目で見て分かるように書くのは必須ですが、苦手な生徒ほど、頭の中で計算をしようとします。

小学生などでは、かけ算やわり算などで、数が大きくなった場合に、できる生徒はいつでもひっ算をすぐに書いて行うのですが、できない生徒の多くは、暗算をしようとします。そして、時間はかかるだけではなく、ほぼ答えも間違えているわけです。

例えばですが

中学生の方程式。

0.3x + 0.1 = 1.2x - 0.4

という方程式。

できる生徒は必ず以下のようにしていく生徒がほとんどです。

両辺を10倍ですから

3x + 1 = 12x - 4

3x - 12x= -4 - 1

  • 9x = -5

x = 9分の5(分数のうち方が分からないので、言葉で)

となるわけですが、

できない生徒はいくつかパターンがあります。

まずは、10倍せずにそのまま小数で計算をする。結果、最後のところで計算ミス。

または、10倍した後の計算をほぼ飛ばして、最後の1行だけ書こうとする。

さらには、 最後の -5 ÷ -9 を計算しだす。

なお他にもこの問題だけでもだいぶ突っ込みどころ満載の式になります。

分数の方程式などはさらに顕著に差が出るところです。

途中式を書かないと何がいけないかというと、計算の途中経過が見えないので、間違えていてもどこで間違えたかが発見できない。また間違えている原因がどこなのか探せなくなる。さらには、あとで見返した時になぜそうなったのかを理解できなくなる。そして、頭の中で計算をするのでミスが増える。ということです。

いつも書いているように、数学は「目」を使って解く科目です。目とペンを使ってしっかりと途中のところを事細かに書くということです。できない生徒さんほど、細かくしていく必要があります。

書いて目で見て解く、これが一番重要です。

ですから答え合わせするときも、解説の途中式を見てなぜその式になったのか、なぜその答えになったのかを確認する必要があります。

私などは、答えも大事ですが、ほぼ数学は途中の式しか見ていません。それによって、間違っていても正解していても、気になるところを指さして、「この式はなぜこうなったのか説明して」などのセリフを入れて、間違いに気づかせたり、曖昧なものではなくきちんとした理解に持っていくようにしております。

よって、もし、お子様の算数や数学のチェックをする際は、この途中式がしっかりと細かくかかれているのか、問題には鉛筆でいろいろ書いた後があるのかなどを見られるとよいかと思います。間違えても答えだけ教えることや、ただ単に間違い直しをさせるだけではいけませんので、途中の式がどうなっているかを確認してから、お子様への声がけが必要になると思います。

書くことによって考えがまとまるという効果も出ることがあるので、これからはその辺を意識して、きっちり途中式を書いていきましょう。

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