学習方法part3

今回も勉強の仕方と書きながらも、これをやってはいけません、という内容になります。

やってはいけないことの次にやるべきことを書いた方がよいと考えるからこの順になってます。

かつてものすごい学習時間を取っていて、毎日きちんと学習をしているのに全く成績が上がらない、それどころか、順調に成績が下降していく生徒がおりました。本人もこんなに勉強しているのに、と思っていたでしょうが、それ以上に、保護者の方が驚いておりました。あんなに毎日やっているのに全然点数が取れないんです、と。

その生徒はあまり自習などはせずに、自宅で学習するほうだったので、家でどんな勉強をしているのか聞いたり、やっているものを持ってきてもらったり、実際に自習に読んだりして、観察をしてみました。

その結果、学習の内容、仕方が大きくズレておりました。

まずその生徒が最も時間をかけていた学習が、「ノートに教科書を写す」作業でした。しかも綺麗で丁寧で、色もカラフルに・・・ですので、問題演習よりもノートまとめのほうが長いわけです。

教科書や問題集を読んで、きれいにまとめる作業は成績に直結しません。これは単なる作業であって勉強ではないのです。

保護者の方から見ると、子どもが教科書を広げてノートを一生懸命書いて、そして長い時間毎日やっているわけですから、相当勉強をしているように見えるわけですが、ほぼ時間の無駄です。

3つ理由があります。

1つ目。

教科書をノートにまとめる作業は、非常に高度です。ほとんどの生徒が、そのまま写すか、太字のものを書いて、その横に説明を写すだけ、となっておりますが、語句を並べているだけで、つながりも意味もわからないのです。きちんと流れがわかり、何を必要とし、何が要らないのかを判別で切るくらいであれば相当学力が高いわけです。そうではない場合は、ノートは埋まりますが、何も残らないという結果になってしまいます。

2つ目。

学力や成績は問題を解いているときに力がつくのです。仮に、見事なノートを作ることができたとしてもそれで終わってしまったら効果は半減です。ノートまとめができるのであれば、そのあとに問題を解く必要があります。

問題は、学んだり覚えたりした知識をきちんと覚えているのか確認するためと、問題はどうやって聞かれているのか、を知る機会にもなります。また、問題をやることで新たにわからないところが出てきたり、良くわからなかったものが納得できるようになったりするわけです。問題を解く中でミスも出てくるので、それを防ぐ練習にもなります。

3つ目。

きれいでカラフルなノートは、一見良さそうですが、実はカラフルなだけで大事なものが分からないのです。いかにもきれいで見た目が良い、というものは、ほとんど大事なものが分からなくなっております。大事さよりも、見た目重視になっているわけです。自己満足の世界ともいえるでしょうか。ノートは他の誰のためでもなく、自分のために使うものです。自分が見返して、わからないものを調べたり、思い出したり、新たな気付きを追加で書きこんでいくものですので、できるだけ素早く、そして、シンプルにわかりやすく書くのが良いわけです。

何よりもこれをするととにかく時間がかかります。見ていても、まだそこ?となることがあります。結局、大切なものを聞き逃したり、言い忘れてしまうのです。

問題を解く、練習をする時間を長く取らなくてはいけません。まとめたり教科書を読んだり、覚えたり・・・必要なことではありますし、しなければいけませんが、ノートにまとめる作業が目的になってしまわないようにしてください。

この例を挙げた生徒は、なかなかそれが治りませんでした。小学校からずっとそういう勉強方法だったのですね。

中学生になると特に部活動などもあり、忙しいわけですからうまく時間を活用しなくてはいけません。その少ないわずかな時間を、教科書を写す作業に充てていてはいけません。それこそ問題をやる時間がなくなります。テスト前などでもそうやっていたようですので、ワークの提出期間も近くなり、問題のところは答えを写して提出。となるわけですから成績が下がるのは必然と言えば必然。

もし、教科書を写して、時間をかけているようでしたら、それは勉強しているようには見えますが、成績が上がりませんので、やめましょう。

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