抜き出して書けない?

深谷市にある彩北進学塾です。

最近に始まった話でもないですが、実感としてここ数年で良く思うことがあります。それは、たった20文字程度の抜き出し問題でも正確に抜き出せない生徒が増えていることです。

国語力というか、読み取る力いわゆる読解力、思考力などよく言われますが、それ以前に書いてある言葉がきちんと読めない、理解できないという状況になっている生徒が多く存在します。それは小中学生だけでなく、高校生や大学生になっても同様です。

先日も小学生の国語の授業でありました。

問:「~はどういうことですか?文章中から20文字で抜き出しなさい」という問題。

生徒は答えは見つけられております。そして解答欄は20マスあります。私は最初に書きだした数文字を見て、きちんと答えが出せているなと思ってみていたら、19文字目で終わっていて1マス空いていました。本人が気付いて、1度消してもう1度書き写していましたが、今度はなんと20文字で足りなくなっていてまた消していました。それをさらにもう1度同じことをやっていたわけです。

上に書いていある文章の中の文字をそのまま写すだけですが、それができないわけです。句読点などの記号を無視していたり、漢字で書いてあるものをひらがなで書いてみたり、勝手に助詞が増えていたり…こういうケースが目立つ生徒が多くなってきております。

塾では音読をすることもありますが、音読をすると、おかしなところで切っていたり、行が飛んでいたり、同じ行を読んでいたり、イントネーションがおかしかったり…といろいろ心配になる部分があります。

もっと言うと、問いの意味が分からなくて何を書いていいかわからないということはよくあることです。

文章を音読したり、そのまま書き写すなどは、実は結構大変なことなのです。しかし、大人になるとそんなに苦労をすることもなければ、子どもたちのようにじっくり見られて採点されるわけではないので、間違っていても気付けないこともあります。

中学受験でも高校受験でも、もちろん大学受験でも国語は受験科目にあります。内容理解や読解、解法ルールなどは当然身につけなければなりませんが、その前に上記に書いたように、当然で来ているだろうなと思われることがきちんとできているかの確認が必要です。そして、こういった力は大学卒業後にもとても重要で必要とされます。

もしかしたら10文字程度でも抜き出すことができないこともあるかもしれません。お子様が問題をやっていて、保護者の方が答え合わせなどをする際に、写し間違いや書き間違いなどがあった場合は、「ここ違う」とか「ここは漢字だったよね?」と軽く済ますことのないようにしたほうがよいです。実は大きな根本的な問題を抱えている可能性があります。

文字を見て理解する力、書いてあるものをそのまま書き写す力、聞いていることの意味を処理していく力など、文章を読んだり会話をしたりするうえで本当に必要な能力です。うっかりミスかなと思わずに確認してください。

彩北進学塾では、国語の授業だけでなく算数や理科や社会でも書き写す問題などは注意してみております。

このような生徒の場合は、「答え合わせ」ができないケースも多いので、あっているのに×、逆に間違っているのに〇、間違えた問題を正しく赤で書き写したものが実は間違っている、などあります。

ぜひお子様が小さいうちに意識してみてください。注意力の問題なのか、成長するうちに直っていくものなのか、根本的な何か問題があるのか、早めに解決する必要がありますね。