埼玉県公立高校入試 国語について

深谷市の彩北進学塾です。

中学3年生は入試も終わり、合格発表も終わり、今は一番ゆっくりしている時期だと思います。

そんな中、中学2年生はすでに受験まで1年を切り、そして中学1年生も約2年後に入試となります。

今日は、この入試問題の国語の問題についてみていこうと思います。特に国語の勉強は何もしていない生徒が多いと思いますので、きちんと入試問題を知ることでどう勉強したらよいかもわかってくると思います。

では、まず全体的なところから見てみると、今年も例年通りの大問構成と配点でした。よって、過去問を見ていただくとわかりますが、大きな違いは全く見受けられません。

大問1から確認ですが、小説。26点分の配点になっております。

出典は、辻村美月『この夏の星を見る』でした。この小説、実は埼玉県だけでなく、群馬県、東京都、そして愛知県の公立高校入試でも出ております。

さて、まず問1。登場人物の様子を説明する選択式の問題。この手の問題は簡単そうに見えて意外に間違える生徒が多いのですが、小説はどうしても主観が入りやすく、勝手な想像で解答してしまう生徒が多いので、答えは頭の中ではなく文章中にあることを肝に銘じ、必ず根拠を探す、選択肢をよく見て確認するなどが必要になります。問2。心情を答える選択式問題。心情や心情理由を聞かれる問題は定番ですが、小説ではこの心情をとらえることがとても重要です。心情のとらえ方や探し方など基本的なことがわかっていれば大丈夫です。問3で、心情理由を問われていますが、語句指定と字数指定があり、比較的易しい問題でした。問4ではやはり登場人物の様子を問う問題ですが、問3同様に、語句指定、字数指定がありました。30字以上40字以内となってます。ある程度のまとまった量を書く問題は、最初から何も書かずにいる生徒がいますが、配点も大きいので対策をしておく櫃王があります。

大問2は、漢字・知識分野からの問題です。ここの配点は24点です。

今回の読みは、「頒布」「懐柔」「拭う」の3つ。書きは「就任」「危うい」の2つでした。

問2は、助動詞「ない」と同じ意味用法のものを選ぶ問題。定番中の定番ですが、文法をおろそかにしていると何となくでやることになってしまいます。問3で熟語の構成の問題です。漢検でもおなじみの問題です。問4が、スピーチの原稿を読んで答える問題。文脈に合うように空欄を補充する問題、話し方の適切不適切を判断する問題など読解練習をしておかないとうまく答えられない問題でもありました。

大問3は、論説文。出典は、小川さやか『手放すことで自己を打ち立てる―タンザニアのインフォーマル経済における所有・贈与・人格』。この大問3の配点は、26点分。

文章自体(内容)がとにかく中学生には読みにくいのがここ数年の傾向です。

問1は、傍線部についての説明の選択問題。そもそも本文の意味が分かっていないと解答しにくい問題ですが、選択肢があるので1つ1つ比較検討していく中で正解に導けるかなと思います。問2は傍線部に対して「どういうことか」の設問。語句指定され、字数も35~45字でと。ここでは言い換えのような作業が必要なため、少し難しくなっておりました。問3では、理由を答える選択問題。選択肢の違いが微妙なのでしっかりと読んで理解する必要があり、照らし合わせる必要が合ったためこちらも若干てこずる人が多かったのではないでしょうか。問4は、傍線部の意味を説明する選択問題。この問題は、なんとなくで読んでいる人にとっては、どれも正解に見えるし、どれも違うようにも見えてしまう問題でした。しかし、選択肢の内容はよく読めばだいぶ異なる内容なので、本文の理解できていればそこまで難しい問題ではなかったように思います。問5は、筆者の主張の理由を語句指定で、40字~50字で記述する問題。こちらはヒントとなる言葉が見つけられればそこまで難しくはないですが、傍線部から若干離れている場所にあるので、そこが見つかるかどうかがキーでした。

大問4の古文。

ここ最近の入試の中では難易度が高めの問題となりました。

出典は、『一休ばなし』。配点は12点。

和歌の読解を求められていたのと、例年ではサービス問題的な歴史的仮名遣いの問題も難しくなっていました。

最後の大問5の作文。

配点は12点です。

流行りになっているSDGs関連。

「SDGsの推進」についての資料を読んでから、「持続可能な社会を築くために私たちにできること」についての文章を書く問題。2段落構成で、1段落目に資料から読み取った内容を、2段落目に自分の体験をふまえて考えを書くというもの。

大問3の論説文で時間が取られそうな問題でした。

また、古文が少し難しかったのも印象的です。

全体的に見ると大問2が易しめ、作文も書きやすかった点から、平均点は例年通りかやや下がる程度となると思いますが、中学1・2年生には、文章を速く正確に読む訓練が求められます。時間があればゆっくりじっくり考えて解ける問題も多くありますが、限られた時間の中で、この量の文章を読んで解答するのはなかなか大変です。

国語に限らず他の科目でも文章量は増えております。内容や問題の意味が分からなくて答えられないということも起きています。国語の勉強という部分と普段から文章、活字に触れて、理解する力をつけておきましょう。

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